前回の「知識編」にて、「経営承継円滑化法の認定」により受けられる支援策や、具体的な条件についてお伝えいたしました。
今回の「実践編」では、「経営承継円滑化法の認定」の具体的な手続きで必要となる書類やスケジュールについてご説明いたします。
<認定手続きに必要となる書類>
■「引継ぎ創業(M&A)」で「株式会社」を新たに引き継ぐ場合
①M&Aの「基本合意書」あるいは「譲渡契約書のドラフト」
②相手先企業の登記事項証明書
③相手先企業の定款の写し
④相手先企業の株主名簿の写し
⑤相手先企業の株式等の価格を証明する書類
⑥相手先企業の事業用資産(不動産の場合)の登記事項証明書
⑦相手先企業の事業用資産(債務を含む)の価格を証明する書類
⑧相手先企業の代表者との間の親族関係を示す全ての戸籍謄本など
⑨相手先企業の代表者の年齢を公的に証明する書類
⑩相手先企業の事業継続困難となっている事情を示す資料
■「引継ぎ創業(M&A)」で「個人事業」を新たに引き継ぐ場合
①M&Aの「基本合意書」あるいは「譲渡契約書のドラフト」
②相手先個人の事業用資産(不動産の場合)の登記事項証明書
③相手先個人の事業用資産の価格を証明する書類
④相手先個人の代表者との間の親族関係を示す全ての戸籍謄本など
⑤相手先個人の代表者の年齢を公的に証明する書類
⑥相手先個人の事業継続困難となっている事情を示す資料
上記の書類を揃えるのに、およそ3週間はかかります。
上記の書類の審査には、およそ3週間はかかります。
<「認定手続き」準備とM&Aのスケジュール>
①上記の申請書類の準備を始める
②M&Aにて「基本合意」後、都道府県知事宛てに上記の書類一式を提出。
(※M&Aにて概ねの合意形成がされる際、「基本合意書」書面に条件が記載されます)
③(上記書類審査中に)公庫に事前相談および融資申込を行う(認定手続き中と説明)
④認定通知が出たら、公庫が融資(株式又は事業用資産の取得資金)を実行
⑤M&Aの最終契約を締結
⑥株式又は事業用資産の取得資金を相手先に支払う
※「基本合意」後から、認定手続きを経て公庫からの融資が実行されるまでの間、
相応の時間を要するため、余裕を持った「最終契約締結日の設定」が重要となります。
※「事業承継・引継ぎ補助金」のご活用(特に専門家活用事業)をお考えの場合は、
別途、補助金の補助事業期間に該当するようスケジュールを検討する必要があります。
「認定手続き」の準備から、「公庫の融資」および「株式又は事業用資産の支払い」を完了するまで円滑に進めていくためには、適切なスケジュール設定と、同時並行での準備が必要となります。
M&A専門家や認定支援機関等の専門家とともに、進めていくと安心かもしれません。